2019/04/20
価値は◯◯があるから伝わる
こんにちは!動画ディレクターの時崎です。
今回は、先日読んだ本『都市と地方をかきまぜる 「食べる通信」の奇跡』について書きたいと思います。
ちなみに「食べる通信」とは、都市の消費者と地方の生産者を結びつけることを目的とした農産物、海産物が付いた情報誌。
本の内容は「食べる通信」のことよりも、都市と地方がなぜ分断されているのか。
といった問題に多くのボリュームが割かれていて、なかなか熱い本でした。
これまで「食べる通信」のことを知らなかったのですが、本を読んで一気に興味がわきました。
とりわけ、消費者への価値の伝わり方についての部分。
ここは動画制作を通じて経験してきたことと重なり、共感するところが多かったです。
以下、高橋 博之著『都市と地方をかきまぜる 「食べる通信」の奇跡』からの抜粋です。
食べる通信は月間の定期購読サービスだ。創刊してすぐに、口コミで読者が広まった。
読者になった都市住民には、いくつかの化学反応が起きた。
まずひとつは、送られてくる生産物を美味しく食べられるようになったこと。
同じ牡蠣でも冬野菜でも、普段スーパーで買っているものよりもはるかにおいしいと言う人が圧倒的に多い。
またそれまで食べられなかった苦手な食材が届いても、初めて美味しく食べられたという感想が多く寄せられた。
産地直送なのだから美味しいと言う理由もある。
手間暇かけてこだわった生産をしているからという理由もある。
だが本当の理由は、食べものの裏側の物語を知ったことで、舌だけでなく頭でも味わうようになったことが大きいと思う。
つまり、モノの良さは当然として、それだけでは選ばれない。
背景にある物語を伝えることの重要性が強調されていました。
わたしの経験からも、この考えにはとても共感できます。
物語というのは、ストーリーに限ったことではなく、想いや培ってきたこと、こだわり、仕事の様子といった、価値として相手の心に残る部分。
ここを伝えられるかどうか。
仮にもし、物語を抜きで伝えようと思ったら、
最新!最安値!業界1位!または、何々を実現!何々を搭載!
といった優位性や機能を訴えることがメインになってしまう。
これで共感を得るのはむずかしいし、他社との競争からも抜けられない。
だから、独自の価値をきちんとカタチにし、伝える。
派手さはないけど、中小企業とってはこの方法が一番確実なやり方ではないかと。
実際、これまで効果を上げてきた動画はすべて、こういった考えで制作させていただいたものです。
埼玉の卒業アルバムメーカーのイシクラ様は、求人募集に例年を大きく上回る800名もの応募がありました。
https://www.ishikura-saiyo.jp/theme2.html
今治の工務店、小林建工様は受注増加はもちろんのこと、国内のみならず、海外からも大工さんが見学に来るようになるなど、大きく飛躍されました。
http://www.kobayashikenkou.jp/about/belief.html
小田原の山上蒲鉾店様は、動画公開後はじめて迎えた年末には創業初の売切れ(ちなみに創業は明治11年)。
蒲鉾店の倒産が相次ぐなか、販売数、売上ともに年々増え、NHKのブラタモリをはじめTV取材も増えました。
https://yamajoukamaboko.co.jp/
豊橋の野球用品店ヤマモトスポーツ様は、近郊はもちろん県外からもグローブを買い求めに来るお客様が、大幅に増えました。
https://www.yamasp.info/
大阪のオートバイ整備専門店モトメンテナンスガレージ様は、お客様が順調に増えているのと、動画に共感した方が来てくれるので、信頼を得た状態から関係をスタートできるようになりました。
https://moto.maintenance-garage.jp/
こういった効果を見ると、物語の力は本当にあなどれないと実感します。
ドラマチックな物語を作らなくても、仕事に対する想いや姿勢が物語になる。
ひいては、相手に価値として伝わる。
社内でできる範囲のことからでも、実際にやってみると実感できますので、ぜひ発信してみてはいかがでしょうか^^