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PR動画インタビュー動画制作ブログ - 想いが価値を伝える理由

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2016/4/05

想いが価値を伝える理由

想いが価値を伝える理由

わたしには、大切に使っている木製の名刺入れがあります。
それは樹齢100年を超える赤松から作られたもので、独特の艶と木目がとても美しいものです。ふたを開くと、ほのかな木の香りがします。

でも、もしあなたが商品とこの情報だけで、「この名刺入れ欲しいですか?」と聞かれたらどうでしょう。いくら木目が美しいとはいえ、買うまではいかないでしょう。
実際にわたしもそうでしたし、木目の良さもまったくわかってなかったですから。

じゃあなぜ、べつに欲しいと思わなかったものが、大切なものへと変わったのか?
その理由は、名刺入れができるまでの想いにあります。

名刺入れを作っているのは、日本の伝統的な建築工法を受け継ぐ棟梁で、家や寺社を建てるのが本業です。樹齢100年を超えるような無垢の木材を用いて建てるのですが、その過程でどうしても端材(余った部分)がでます。
そういった端材を使い、伝統的な木組みの技で作られたのが、この名刺入れというわけです。

「なるほど、貴重な無垢の木材と伝統の技術で作られているのか」と、単なるモノから、良いモノへ見方が変わったのではないでしょうか。
でも、厳しい目で見ると、まだ工芸品(お土産)の域にとどまっていると思います。

というのも、ここまでで語られたことは、その名刺入れは何なのかといった、「なに」あたる部分であって、言い替えれば特長、品質です。

まだこの段階では、もっとも大切なことが欠けているのですが、それが「なぜ」にあたる部分。
なぜ、大工が名刺入れを作るのか?という背景にある想い、思想、価値観。
じつは、これを伝える、伝えないとでは話がまったく変わってくるんです。

大切なのは「なに」より「なぜ」

棟梁はその理由について、わたしにこう話してくれました。
「百年、二百年と生きてきた木を、たとえ端材といえども無駄にしたくない。なにか役立つかたちで残したい。そして、失われつつある伝統の技術を、製品を通して多くの人に伝えていきたい。」
棟梁のこの想いにふれたとき、わたしのなかで共感が生まれ、名刺入れの価値がわかったわけです。

ちなみに、この名刺入れには、もうひとつ特筆すべき点があるのですが、それは木目の美しさです。
木目というのは、場所によって美しさに違いがありますが、この名刺入れは厳選された、もっとも木目が美しい場所から作られています。
逆にいうと、もっとも美しい木目の場所からしか作らないわけです。
例えるなら、大きなマグロから握りを10貫しかつくらない感じです。

一体、なぜそんな歩留まりの悪いやり方で作るのか。
なぜ、そこまで美しさにこだわるのか。

それは、日本の伝統建築の技術は、美しさの追求でもあるからです。
だから、その技術を後世に伝える職人として、名刺入れにもその美意識を宿すわけです。

伝統工法で建てる家と同じで、大切に使えば孫の代でも使えるもの、後世に残しても恥ずかしくないもの。
そういった、ものづくりの美意識、価値観です。

どうですか、あなたにも名刺れの価値が伝わったでしょうか?
単なる工芸品から、つくり手の魂が宿った名品に見る目が変わったのではないでしょうか。

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